NEWS

◆野口悦士「白釉」について

ここでは野口悦士さんの「白釉」について補記します。

デンマーク・コペンハーゲンのレストラン「noma(ノーマ)※」にその器を採用され、今もって世界中で人気を博している陶芸スタジオ「KH Würtz(コーホー ヴューツ)」。

個人的にはWürtzの独特なグレーの釉薬表現は、きっとこの7~8年以上に渡る日本(≒世界)でのグレー皿人気の火付け役とも思っているほどなのですが、野口さんの白釉シリーズはその Würtzとの技術交流によって知り得た技法が反映されています(詳しくは野口さんに関するnoteを御参照下さい)。

と言いますのは野口さん、実はこの Würtzにアーティストインレジデンスで2~3回/年ほど2017年~2020年の間、通われていたのです。

その際に1種類の土と3つの釉薬というとても少ない材料を基本として、多くのバリエーションを生み出すWürtzのあり方に感動されたそうなのですが、中でもnomaに採用されたグレーの皿の表現方法には強く感動されたとの事で、その影響から生まれたのがこの「白釉」シリーズとなります。

ちなみにのぶちかもWürtzの表現は何年ものあいだ惹かれ続けてきただけに、野口さんの白釉を始めて拝見した時はかなり興奮しました。

次に白釉の特徴ですが、釉薬がとても固く吸水しません。
ですので料理や食材の色移りや臭い移りも無く、汚れも簡単に落ちてカビも生えません。
金属カトラリーで少々擦れてもへっちゃらですし、個人的に機能面では最強と感じています。

一方、鑑賞に関しても白釉のクールなトーンが薄挽きのロクロでシャープに形成されたフォルムと相まり、凛とした佇まいとなっています。
もちろん、料理を盛っても美しく映えます。

兎にも角にも野口さんの器の中で実はのぶちかが最もおすすめなのがこの「白釉」シリーズとなりますので、クールな印象の器を探しておられる方はぜひ騙されたと思ってお試し下さいませ。

※「noma(ノーマ)」
英国のレストラン誌が選ぶ「世界ベストレストラン50」の第1位を過去4度獲得。