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◆野口悦士 「緑青」について

ここでは野口悦士さんの「緑青(ろくしょう)」について補記します。

元々、種子島で焼締から陶芸を始められた野口さんですが、薪窯特有の「灰被り」のゴツゴツとした表情がお好みだったらしく、鹿児島に工房を移されてからメインとなる電気窯で「灰被り」を表現する事はできないか試案し続け完成させたものが「緑青」となります。

そして「緑青」のゴツゴツとしたテクスチャは釉薬ではなく人工灰。
「灰被り」の様な表現を可能にすべく緑青用に作り上げた灰だそうです。

この灰をかけたり、灰の上で焼いたりを最低5~6回繰り返し、表面に灰を堆積させていく事で「緑青」は完成します。

この工程を踏む為、「緑青」の個体差は激しく、全面に灰がゴツゴツとかかっている物もあれば、素地が見えていたり、剥離している部分があったりする物がある訳です。

焼き上がったものはそのままではゴツゴツし過ぎて危険なので、全て砥石で磨かれます。

つまり、現時点でゴツゴツしている物も実は磨き終わった後の作品という訳です。

ちなみに個人的には普通の使い方をして徐々にマイルドな表面になっていくのを楽しむのも良いのですが、物によって好みの滑らかさになるまでやすりなどで少し磨いてみるのもおすすめです。

いずれ御使用と洗浄を重ねる事で手触りがマイルドになっていきますが、もしゴツゴツが思った以上に強く感じられた方はあまり恐れずに優しくやすりで磨いて様子を見てみて下さい。