サイズ:7.2×16×8cm
重さ:486g
―説明―
上前氏の作品モチーフは時間や場所を超えて人々が「視線」を向け続けてきた「地平線」や「月」、「太陽」など。
1200年以上昔の人も、現代の私達と同じ様に天や月を眺め、宇宙の果てに想いをめぐらせていただろう事に面白みを感じ、コンセプトワードとして「視線」選定されています。
「天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ」
〜歌意〜
大空の海に雲の波が立ち、月の船がきらめく星の林の中に漕ぎ隠れてゆく。
これは柿本人麻呂が万葉集の中で詠んだ和歌ですが、上前さんはこの歌から、
「遥か昔に生きた歌人も、現代の私たちと同じように、天を眺め、月を眺め、宇宙の果てに思いを巡らせているのを感じました。時間と場所を超えて、同じものを眺め、同じ想いを抱き、繋がっている事にも面白みを感じます」
と話されます。
その意を作中から汲むならば、アウトラインは月(船)、ガラスに閉じ込められた景色は天(空、星、雲)を表しているかの様です。
まさに、雲がかかり無数の星が舞う大きな夜空の中を行く船が見事に表現されており、その美しさには胸を打つものがあります。
―技法―
キルンキャスト(鋳造)により制作される作品は、石膏から取り出した後にウォーターサンダーや平盤で荒成形した後、作品の部分部分にグルーチップ(膠)加工を行います。
また、予め石膏に線刻した部分に対し、パールラスターやプラチナ、金彩等を施し、再度電気炉で焼き付けを行います。
2度目の窯出しの後、平面部は手磨き、局面部はウォーターサンダーなどを使い、仕上げとなる加工研磨を終えて完成となります。
また、大きな作品は機械が使えない為、手作業による研磨となるそうです。
一般的な吹きガラスと比べとても工程が多く、日数も掛かる技法なのが分かりますが、しかし実際はまだ記していない細かく難解な作業も含まれます。
―素材―
作品には廃ブラウン管を使用。
ブラウン管は工業製品規格をクリアしている為、非常に美しい素材となるそうですが、作品へと転化できる様になるまでに多くの試行錯誤と実験を繰り返された様です。
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「ガラスを鋳造した際に産まれる複雑な内部の表情を捉え、その光の反射や屈折による美しいガラスの表情を最大限に活かした立体表現を行う事で、凛とした空気感を演出したいと考えています。
鋳造によって、型に流れ込んだ廃ガラスカレットは、文字通り、廃棄物から作品へと再生し、その過程で産まれ出たガラスの表情は、作家の意思を通り越し、鑑賞者へ様々な印象を想起させます。
一度は廃棄された素材が、自分の手を通して造形作品となり、そして、建築や、開かれた空間の中で活き、人々の生活の一部となってくれるなら、それはこの上ない、幸せな事なのではないかと考える様になりました。
ない制作の喜びと充実感を感じています。 (文:上前功夫)」
上前功夫 Instagram⇩
https://www.instagram.com/uemae.isao/
上前 功夫 (うえまえ いさお)
経歴
1985.1 兵庫県生まれ
2003.12 金沢美術工芸大学 デザイン科製品デザイン専攻 中退
2008.3 大阪芸術大学 工芸学科ガラス工芸コース 卒業(工芸学科総代)
4 大阪市立クラフトパーク 吹きガラス工房 非常勤指導員
2010.4 大阪芸術大学 工芸学科ガラス工芸コース 非常勤副手
2013.4 大阪芸術大学 工芸学科 非常勤嘱託 / 夙川学院高等学校 美術科 非常勤講師
2016.4 金沢卯辰山工芸工房 専門員
現在 (2021-) 大阪成蹊女子高等学校 美術科 常勤講師
日本現代工芸美術家協会 本会員 / 近畿会 会員
兵庫県工芸美術作家協会 会員
受賞 / 入選
大阪芸術大学卒業・修了作品選抜展 卒業制作 学長賞 2008
中核市移行記念第 58 回西宮市展 工芸部門 西宮市展賞 2008
大阪工芸展 大阪府教育委員会賞(2014.2017)/ 入選 2008
兵庫県展 工芸部門 兵庫県立美術館賞 2011 / ㈶兵庫県芸術文化協会賞 2010 / 佳作(2009.2012)
こうべ市民美術展 工芸部門 佳作(2014.2015)
兵庫工芸展 大賞 2022 / 兵庫県芸術文化協会賞 2021 / 奨励賞 2015 / 姫路市書写の里・美術工芸館賞 2023
リサイクルアート展 2017 審査員特別賞
金沢市工芸展 金沢市長最優秀賞 2021 / 世界工芸都市宣言記念賞 2019 / 金沢市工芸協会会長賞 2018.2020
石川の現代工芸展 大賞 2019
日本現代工芸美術展 現代工芸本会員賞 2024 / 現代工芸大賞 2023 / 現代工芸賞 2021 / 入選(2018~)
日本現代工芸美術展近畿展 京都市市長賞 2022
第 1 回 EGK 工芸アワード 金沢エナジー賞 2023
Glass Craft Triennale 2010 入選
New Glass Review 32 入選(Corning Museum of Glass/NY)2010
京展 工芸部門 入選(2011.2013.2014)
日本クラフト展 入選 2012
現代ガラス展 in 山陽小野田 入選(2015.2018.2020.2023)
工芸都市高岡クラフトコンペティション 入選 2017
日展 入選(2018.2020~2023)
KOBE ART MARCHE 2018 / artist meets artfair 入選
日本のガラス展 入選 2018
金沢・世界工芸コンペティション 2019.2022 入選
国際工芸アワードとやま 2020 入選
国際ガラス展金沢 2022 入選
コミッションワーク
・カンディハウス大阪
・カンディハウス旭川
・株式会社 NTT ファシリティーズ(東京)
・フォーシーズンズホテル大手町(東京)
・日本精化株式会社(大阪)
・トラストガーデン荻窪(東京)
・プラウドタワー仙台勾当台通
・横浜ベイコート倶楽部 ホテル & スパリゾート
・Six Senses Castello Antognolla,Umbria(イタリア)
・フォションホテル京都
・プラウド朝霞台(埼玉)
・リーフィアレジデンス上原(東京)
・サンクチュアリコート高山(岐阜)
・ロイヤルパークホテル銀座昭和通り(東京)
・JP リゾート(かんぽの宿)伊豆高原(静岡)
・プラウドシティ金沢
・プレミスト南山(名古屋)
・プレミスト奥武山公園(沖縄)
・O 氏邸(金沢)
・フェアフィールド・バイ・マリオット・兵庫やぶ
・東急ハーヴェストクラブ VIALA 鬼怒川渓翠(栃木)
・日比谷セントラルビル ‘THE LOUNGE’(東京)
・ホテル虎ノ門ヒルズ(東京)
・グランクレール HARUMI FRAG(東京)
・HARUMI FRAG SEA VILLAGE A 棟(東京)
・MUWA NISEKO(北海道)
・ウエスティンホテル東京
・ウェルス・マネジメント株式会社(東京)
パブリックコレクション
・石川県能登島ガラス美術館
掲載
・Exit Urban Magazine,2020.8(イタリア)